気付いたら10月です。そろそろめばるが釣れる時期に入りますが…行けるかなぁ行けるといいなぁ…
頑張ってUSBテスターのレビューを書いていますが…需要あるのか解らなくてどうしたもんかと。でもひとつくらい持っておこうかと思った時に役立てばいいカナ?役立つ記事を書けていない気がしますけれど!な紫様ですさばいでぃー。
実は表紙グラビアを撮るのを忘れていました。危なかった。
・イントロダクション。
USBテスターのレビューが続きます。今回も前回のFNIRSI-C1に続いてType Cテスターのお話です。
今回のテスターは、推しのAVHzYが発売して間もないC3と言うモデルなんですが、公式サイトを見たら「AVHzY C3 USB-C 3.1 Power Meter Tester Digital Multimeter Current Tester Voltage Detector DC 26V 6A」って書いてあって、ソレがECサイトの検索対策みたいで暫くツボってましたw
因みに改めてCT-3も見てみたら「AVHzY CT-3 USB 3.1 Power Meter Tester Digital Multimeter Current Tester Voltage Detector Lua interpreter integrated DC 26V 6A」で大草原です。
まぁ、正しい戦略ですよねw
でもAliExpressなんかは正しい商品名が解らない物も沢山ありますから、もちっと何とかして欲しいなぁとはw
それにしても、FNIRSI-C1が発売された直後に、AVHzYもType Cテスターを発売してぶつけて来るとは思いませんでした。それも名前がC3とややこしい事この上ありません。
もしかしたらiPhoneのUSB-Power Delivery採用が絡んでいるかもしれませんが、PD充電器やモバイルバッテリーが相当数普及して一般的になった結果、PD充電器に直接挿して使用出来ると言う点と、Type Cソケットの端末にも直接挿して使えると言う点で、もしかしたらType Cテスターの方が市場の需要があったりするのかもしれませんね。Type Cテスターの方が一般的になるのかなぁ?
因みにこのC3、また例に依ってYK-LABのプラットフォームを使用したブランド違いモデルとなります。オリジナルにあたるYK-LABのモデルはYK003Cと言うモデルネームです。尚、POWER-Zから同じプラットフォームの製品が発売されていると言う情報は執筆現在まだ確認しておりません。
YK-LABのYK003CはYK001-Shizukuと同じく青いTextliteパネルで可愛かったんですが、Shizukuみたいな名前がないっぽいですし、まだAliExpressには無かったと言うかもう冒険はしたくないので、素直にAVHzYのC3を購入した次第になります。
あと、ステンレスパネルのAVHzYテスターを持っていませんし、折角ならと言うのもありました。
そしてこのC3なのですが、執筆時点では一定の人がType Cテスターを買うならコレ一択、と言うモデルです。やはりAVHzY。USBテスターを買うならCT-3といつも言っていますが、Type CテスターもやはりAVHzYなのか…?
ある種一択の話は気付く人は直ぐに思い至るかと思いますが、とにもかくにも先ずは諸元を書き出して確認してみましょう。
・主要諸元。
メインコントロールIC : Cortex-M4 200MHz
ディスプレイ : IPS 1.14インチ 240*135
電圧測定範囲 : DC 4~26V (PCでは0.1V~)
電流測定範囲 : 0~6A
電圧測定分解能 : 0.0001V
電流測定分解能 : 0.0001A
電圧及び電流測定精度 : 0.1%±2d
急速充電トリガープロトコル : USB PD (PPS対応)、Qualcom QC2.0 / 3.0、Huawei FCP / SCP / SSCP、Samsung AFC、OPPO VOOC / SuperVOOC 50W/65W。
PCソフトウェア : オンラインデータロギング、PDリスニング、オンライン急速充電トリガー、ファームウェアアップグレード用PCスイート。
因みにサイズは約51*22*10mmになります。(実測)
おわかりいただけただろうか。
C3の圧倒的な強味は他のType Cテスターが対応していない、BBK系プロトコルトリガーに対応している所です。
因みにBBK系と言うのは、BBK(歩歩高)グループに属する、または派生したスマートフォンブランドの事です。急速充電規格に於いては、OPPO、Realme、OnePlusを指します。
BBKにVivoも含める場合もありますが、充電規格的には現状システムを共有していないので、除かれます。
そのBBK系、日本ではOPPOの知名度がありますし、この手のUSBマルチテスターを購入する層だとRealmeやOnePlus端末を使っていて、VOOC系の機器を手に入れてテストしたいと言う人達はかなりいるのではと思われますし。
実際、FNIRSI-C1はBBK系が使えなくて残念(場合に依っては役に立たない)と言う類いのレビューをぽつぽつ見ました。
そんなBBK派のType Cテスターが欲しい皆様にお薦めするのが今回紹介する商品、AVHzY C3なのです。
…とは言え、そもそもひとつテスターを買うと言うのであれば、CT-3をお薦めするんですけどね。
・開封写真。
とにもかくにも、何時もの如くC3をお写真で見ていきましょう。
先ずは開封の儀からです。
何時もの段ボール箱に入って届きました。
また赤いプチプチかと思ったら、まさかの廉価クッション材。紙ではなく樹脂です。果たしてコレと紙とどちらがいいのか…プチプチが良かったなぁ!
緩衝材を取っ払います。
なあなあに袋に入っている…w
今回矢鱈となあなあですね!?w
あの緩衝材だしかなりシェイクされたんでしょうなぁw
まぁ無事に着けばいいんです。袋から出しました。
おー!やはりAVHzYだし日本語にも対応しているね!
日本語が表側のクイックスタートガイド。そしてやはりこのブリキケース。
蓋を開けます。
毎度のプレッスです。流用してるね???
ただ、流用っぽいですが、電源を入れる際の注意書が加えられています。ホントもう私が和訳のお手伝いしたいですよw
クイックスタートガイドを取っ払うと。
やっぱり付いてたグラスフィルム!
ありがとう!ありがとう!
因みにC3はほぼパネルとの間に隙間の出来ないサイズのグラスフィルムでした。そしてきっちりとしたサイズの方が逆に貼るのは難しいとも学習しました。
じゃじゃーん。本体のお目見えです。
んんん???OTG変換アダプタが付属してるよ???
グラスフィルムもですが、AVHzYってばこういう所の気が利きますよね。
因みに。私、この変換アダプタと同じ物を持ってます。Type Cオスの方は白ですけれど。コレ、ぶっちゃけコネクタのサイズと造りがビミョーだからあんまし使いたくないんですよね~。USB-AオスType-Cメスの方は大丈夫です。確か。
変換アダプタのUSB-Aコネクタ側のアップです。
何でこんな写真をわざわざ撮ったかと言うと、USB-Aコネクタの樹脂ベロが青いとUSB3.0以上って目安になるって無責任に言っちゃってるメディアや記事を見掛けるのでw
兎に角ピンの数を見て下さい。4本だとUSB2.0です。青とか緑とか黒とか紫とか赤とか関係ないです。
所でメスコネクタの方の造りが酷いのが解るかと思います。まぁ使えるっちゃ使えるんですけど…あんましオヌヌメしませんです。使うなら差し込む時に位置や角度を確認して巧くやって下さい。相性が悪いと乱暴にやると傷付けたり削ったりすると思いますので…
あ、そうだ。あと、細かい話をするとType CメスのコネクタはUSB-IF規約違反になります。誰も気にしていない風潮を感じますが。
とにもかくにも、アダプタが付属している事でUSB-Aコネクタにも対応します。別途買わなくてもいいのはかなり強いと思います。日本だと変換アダプタもお高いですしね。
C3本体を出してみました。
うーんステンレス削り出し。いいですね~。
初期フィルムの隅っこのベロの部分がパネルの上に出されていました。CT-3Aはケースの上に出ていませんでしたね。
まぁさっさと剥がしてグラスフィルム貼り付けるんですけどね!w
裏側。
レーザー刻印~。やっぱりCT-2以降のAVHzYのUSBマルチテスターってばさいきょーよね!
削り出しとかレーザー刻印とかそう言うの大好き。
・身体検査。
グラスフィルムに貼り換えて真上から撮ってみました。
いいですね!この佇まい!
そう言えばTC66とC1には付いていたプラグカバーはありませんでしたね。要るのかと問われたら要らないですけれど。C1はソケットカバーまで付いていましたね。
まぁそんなもんよりグラスフィルムと変換アダプタの方がめっちょ実用的ですね、と言うか厳密にはカバーは出荷保護用ですからね…
裏面。
コントロールはCT-3等と同じくプレッス…じゃない、普通に押すエンターと左右にクリックの出来るマルチキーひとつです。所で、YK001のレビューからずっと思い出せなかったこういうのの呼称を思い出しました。ロータリーホイール。完全回転はしませんが。
プレッスのクイックスタートガイドに書いてありますが、エンターは普通に押すのと、ダブルクリック的な二度押しと、長押しの三通りの操作があります。
入出力コネクタはメインのType CオスメスコネクタとPC/外部電源入力のType Cメスコネクタのみになります。他のType Cテスターと基本的には同じ構成ですが、PC/外部電源入力端子がmicroUSBではなくてType Cになっています!とうとうmicroUSBが不要に…!?
Type Cオスコネクタ側。
勿論24ピンフルピンです。諸元にありませんが、USB3.2Gen2*2のデータ通信をサポートしています。また、CT-3や他のUSBテスターと違ってサイドに樹脂製のカバーがあるんですよね。
Type Cメスコネクタ側。
此方も勿論フルピン…ちょっと見辛かった。
フルピンなのに付属のOTGアダプタが2.0なのはちょっと残念ですよねw
マルチキーとPC入力側。
ボタンが並んでいなくていいですね!私はボタンよりこっちの方が使い易いと思います。もしかしたらダブルクリックが嫌と言う人もいるかもしれませんけれど。
何もない側。
マジで何もないw
樹脂のサイドカバーを何故採用したのか気になります。もしかしたら積層基盤になってる…?
と、毎回分解しているのに今回は分解していません。曰くありげなサンドイッチ壁を見て、コレは私壊すやつでは、とか思ったのと共に、他のテスターはみんなプラスネジでパネルが留まっていますが、小さな六角ネジなんですよね。それもミリサイズは合わなかったので、インチサイズの可能性があります。
ウチにはインチ工具の必要な物が色々あるのでインチ六角レンチの細いやつもある筈なんですが見当たらなかったので、コレは分解するなとの思し召しかと感じたので、今回は分解するのをやめました。
楽しみにしている方がいたら申し訳ありません。
ただね。機械は不必要に分解するもんではないです。USBテスターはネジ外すだけなんですけどw
手持ちのと言うか、現在三択となるType Cテスターを並べてみました。サイズ感の把握にどうぞ。
幅(この写真だと上下方向)は上のC1、中のC3、下のTC66の順番で太いです。上から太、中、細。実際にはそこまで変わらなかったりします。
長さ(この写真だと左右方向)は中のC3、上のC1、下のTC66の順番で長いです。上から中、長、短。実際にはほぼ変わりません。特にC1とTC66は誤差くらいです。
因みに写真からは解りませんが、厚さも長さと同じくC3、C1、TC66の順番で厚いですが、誤差みたいなものですw
FNIRSI-C1 : 51*26*8mm
AVHzY C3 : 52*22*10mm
RD TC66C : 49*21.5*7mm
諸元からではなくプラグを含めた長さで、ボタンやネジの突起物は除いた実測値です。参考までに。
それでは機能を写真と共に見ていきましょう。
・基本画面。
電圧、電流、電力が表示されます。勿論入出力は双方向なので、矢印が表示されます。
所で。私、初めて繋いだらめっちょびっくりしたのよ。
めっちょ画面綺麗!!!ちょっと離れるとドットがかなり目立たない!そもそも発色とか綺麗なんだけど!?
って。
画面が小さいとは言え、今までにない綺麗さ。C3の一番のウリはこの画面の綺麗さなのではと思っていたりします。
1.14インチに240*135px。詰まっています。因みにCT-3は1.77インチに160*128pxなので、較べると大体2/3くらいの画面サイズに1.5倍のピクセル数が詰まっているんです。そりゃあ綺麗です。
…果たしてUSBテスターの画面に綺麗さを求める層がいるのかは解りませんが…私はめっちょ嬉しかったですね!もうちょっと画面が明るかったら最高でした!
因みに、PD電源に繋ぐと電源が入らないと思いますが、普段はCCの観測をしていない為ですね。PDトリガーの項で後述しますが、マルチキーをクリックするとCCの観測を始めてPD計測が可能になります。
基本画面でマルチキーのセンターを1回クリックすると基本画面その2、統計画面が表示されます。
電圧、電流、累積容量、蓄積電力量、ランニングタイム(蓄積合計時間)、プラットフォーム電圧、記録データグループ番号、温度(多分テスターのCPU温度)が表示されます。
因みにデータグループをはじめとした統計関係の設定等はメインメニュー画面の統計セット欄にあります。
更にセンターを1回クリックすると基本画面その3、詳細測定画面が表示されます。
VBUSの電圧と電流と電力、D±の電圧、テスター自体が消費している電流(!)、電源と端末(負荷装置)の間でネゴシエーションされた急速充電プロトコル、同じくその電圧と電流(!?)。
C3自体が使っている電流が解るのはいいですね。メインメニューの項で後述しますが、この表示に関連して風袋引きの機能があって、その設定が出来ます。
それにしてもプロトコル表示は規格だけでなく、PDの場合はPDOをパケットキャプチャして表示してくれるのはめっちょ凄いですびっくりです。
この様に規格の下にネゴシエーションされた数値が表示されます。本当に素晴らしい機能。
余談ですが、友情出演して戴いたCT-3の方で間違えて規格検出をしてしまったんですが、表示されるプロトコルがコロコロ変わって面白かったですw
で、本題は此方、固定電圧ではなくPPSの場合。
PPSの場合もPD固定電圧と同じくネゴシエーションされた数値が表示されるんですが、その電圧の数値に注目して下さい。
PPSは0.02V(20mV)単位の非常に細かい電圧の可変が可能な規格なのですが、CT-3でトリガーしている10.98Vをしっかりその通りに表示しているのが確認出来ます。
これには更にびっくりしました。細かい可変電圧数値がちゃんと表示されるのは特筆すべき機能だと思います。
また、計測して表示される各種数値についてもCT-3譲りのかなり正確な信頼出来る物だと思います。
・カーブ画面。
基本画面でセンターをダブルクリックをするとカーブ(グラフ)画面が開きます。最初は基本の電圧電流カーブ。
粗くて負荷も何も繋いでいないなあなあな写真で申し訳ないんですが、本当にカーブの表示も綺麗です。もしかしなくても、デジタルピクセル数が増えて画面が綺麗になった一番の恩恵は、カーブの表示かもしれません。今までカーブの表示にPCを使っていた人も、記録以外では本体のみでいい!って時代がそろそろ来そうです。
てか何か繋いでもっと線の動きのある写真載せろ私w
また、画面の四隅に電圧と電流の最大値と最小値が表示されるのもポイントです。上が最大値、下が最小値です。便利ですね。
尚、何時もの如く、センターをクリックで停止と再生が出来ます。
左右クリックでカーブの表示速度を0.25~10s/divに6段階で変更出来ます。また、それに付随してサンプリング速度が40~1spsに変更されます。
100spsで0.1s/divのC1やCT-3等より表示とサンプリングが少々粗いと言う事になりますが、私は全く気にならないレベルです。例に依ってPCアプリでは1000spsで採れる筈ですし、問題ないかと思います。
そう、毎度なのですが私はまだPCに繋いでいないのです…
因みに細かいサンプリングよりも私は10s/divの超低速モードの使い勝手がいいと思いますよ!寧ろ本体とにらめっこをするならこの低速こそ正義だと思います!
1spsなので勿論細かい数値こそ採れませんが、左端から右端迄で24目盛りあるので240秒、4分間のカーブが画面に表示されるワケです。便利ですよコレは。
電圧電流カーブ画面でセンターを長押しするとD±カーブ画面に変わります。
此方も仕様は電圧電流カーブと全く同じになります。
D±カーブ画面でセンターを長押しすると電圧電流カーブ画面に切り替わります。
カーブ画面を終了するにはセンターをダブルクリックして下さい。
・VBUSオシロスコープ。
基本画面で右クリックするとVBUSオシロスコープ画面が開きます。
VBUSのリップル電圧が見られます。
画面左端には最高値と最低値、上部には電圧のピークtoピーク値と一次成分周波数、下部にはVBUSのリアルタイムDC電圧電流と表示速度が表示されます。
センタークリックで再生と停止、左右クリックでサンプリングレートを8Msps 0.31μs/div~0.2Msps 50μs/div(補間なしは1.25~50μs)に8段階で変更出来ます。
最大サンプリングレートはまさかの8Mspsです。CT-3は3.2Mspsなので、倍以上のサンプリングレートです。ここを重視する方はもうこの時点で買っていいと思いますw
8Mspsレートと言えば、WITRNの新作USBマルチテスターU3のウリのひとつが8MHzスペクトラムですが、まさかのC3も同じ性能を持っていたなんて…!
8Mって800万ですよ?1秒間に800万回ってなんなんですかね?3.2Mでも何だソレおっかねぇとか思ってたのに8Mってホントなんなんでしょ?技術の進歩めっちょ凄い…安価なちっちゃいUSBマルチテスターに8MHzのオシロスコープが載ってるとか30年前の人に言っても信じて貰えないかもしれませんよね。
余談。spsとHz表記ですが、spsがサンプルperセカンドで1秒毎のサンプル数、Hzが1秒毎の周波数や振動数なので、この場合は同じ事を表していると考えて下さい。
・メインメニュー。
基本画面でセンターを長押しするとメインメニューが開きます。
画面と読み取り、統計セット、その他の機能、言語、デバッグ、デバイス情報の6項目と結構シンプルです。
画面と読み取り。
明るさが段階ではなく%表示なの、いいですよね。もう少し画面輝度が高かったら写真撮り易くて良かったんだけどなぁ…
待機時間はスリープモードで画面が暗くなる迄の移行時間になります。私はレビューで写真撮るので「なし」一択になります。
画面回転も自動でなくていいんですけど。
そしてここの項で重要なのは、更新速度と風袋引きかと思います。
更新速度は最遅い(1sps)、遅い(2sps)、普通(5sps)、速い(10sps)、最速い(20sps)なる怪しい日本語で表示されますが、コレはC3の基本取得サンプリングレートになります。計測中に数値がコロコロ変わり過ぎて逆に読み取り辛い、ウザいって感じるなら遅くするといいと思います。地味に便利ですよこの機能は。
風袋引きは入力側と出力側のどちらかに合わせるか、または風袋引きしないの3種類を選べます。詳細測定画面にC3自体の消費電流が表示されていましたが、それに絡む設定です。
この風袋引き機能(もしかしたらTareって英語の方が一般的かも知れませんね)は特許を取得しているそうで、確かに凄いと思います。
今までのこの手のテスターではテスター自体の消費電流に依って、入力側と出力側のどちらか片方ではその消費電流が差し引かれた数値が表示されていましたが、この機能に依って実際の電流方向に関わらず入出力どちらかの数値に合わせる事が出来ます。
初期値は出力側になっていたのでそのままにしてあります。ケーブルを繋いで使う事が多いのでそれでいいんですが、そもそも誤差に寛容なので余り気にしていなかったりします私。
また、PC入力コネクタに外部電源が存在している場合はテスター自体の消費電流はそこから取られますから、入出力方向での差はなくなるので風袋引き機能は無意味になります。
ずっと言っているのですが、基本型にUSBマルチテスターは外部電源を入力出来ますから、誤差が嫌なら外部電源を繋いで下さい。そうすればどのテスターでも入出力の誤差は無くなります。ただ、この機能に依って外部電源を使わなくても良くなるので、素晴らしい機能だと思います。
統計セット。
統計画面で表示されていた統計グループの切り替えや記録のゼロリセットが出来ます。それと閾値の設定が出来ます。
初期値で10mAになっていますが、私は0mAで運用します。0mAに設定すると自動で記録が停止、再開する事はなくなります。
その他の機能。
相変わらず怪しい日本語ですが、Apple充電器の読み出しです。Apple PD充電器に繋いでこのオプションを選ぶと充電器のデータが表示されます。真贋と言うか認証品か否かを見分けるやつですね…
CT-3にあったVOOC/DASHケーブルの読み出しやダンプは無くなっていますね。
言語設定。
フツーに自然に日本語表示を使っていますが、他に英語と簡体中文が選択出来ます。AVHzYオフィシャルは日本向けだと初期値を日本語に設定しておいてくれます。ありがとうございます。
そもそも現状YK-LABのプラットフォームを使用したUSBテスター以外に日本語に対応している製品はないので、所々怪しい日本語とは言え、私達日本人は特別扱いされているのですから有り難くその恩恵を享受しましょう。
デバッグメニューは私には解らないので割愛してデバイス情報。
完全に初期型です。PCに繋いでいないので、ソフトウェアバージョンも初期型だと思います。このレビューはその初期型の初期状態の筐体で行っています。
どうでもいい事なんですが、何しろですね、多分私、C3買ったの世界で2番目だかなんですよw
・eMarkerリーダー。
基本画面で右長押しでPDケーブルのeMarkerリーダーが立ち上がります。
メニューとかではなく突如読み出されます。簡易的ではありますが、一般的に必要とされるであろう情報は羅列されていると思います。
読み出しをするには先ず外部電源をPCインプットに接続します。それから何も繋いでいない読み出したいケーブルをType Cメスソケットに繋ぎます。するとこの様に読み出し結果が表示されます。
毎度Essergerの非認証ケーブルで申し訳ありません。尚、私の推しのBaseusのケーブルも非認証ですw
・急速充電プロトコルトリガー。
基本画面で左クリックすると警告文やメニュー等はなしに急速充電プロトコルトリガーページに飛びます。ワンクッションなく飛ぶのはちょっと危ない気がする…買う人は解ってるでしょうくらいな感じなんでしょうか…?
諸元に書き出してありますが、対応プロトコルは、PD、QC2.0/3.0、FCP/SCP、AFC、VOOC/SuperVOOCです。
BBK系が充実していますね。BBK系利用者はC3一択だと言うのが良く解って戴けるかと思います。
そして毎回書いていますが。何をしているのか、何の事か解らない人は、このトリガーページより先には進まない方がいいです。若しくは出力側には絶対に何も繋がないで下さい。端末等を繋いでいる場合は破損したり基盤を爆発させる可能性があります。もし何か事故が起きたり端末が破損してもAVHzYやYK-LAB、販売者、そして私も責任は取れません。なので本当に気を付けて下さいね。
トリガー画面サンプル。
3.3V~20Vを0.2V刻みで可変出来るQC3.0のトリガー画面をサンプルに。
上段が現在の電圧と電流。中段が現在設定している電圧と電圧の加減値。下段が電圧の可変最低値と最大値。
マルチキーの左右で電圧を加減出来ます。
PD以外のトリガーはこの様な画面とコントロールになります。
トリガー選択ページ、トリガー画面ではトリガー実行中でもダブルクリックで基本画面に戻ります。
また、トリガー実行中に基本画面で左クリックするとこの様に選択画面になります。
切断するでトリガーを終了して基本画面へ。調整するで再度実行中のトリガー画面へ。新しいトリガーでトリガー選択ページへ。
さて、PDトリガーです。PDトリガーは電源立ち上げ時にしか開始出来ない仕様なので、トリガー選択画面でPDトリガーを選ぶと一旦電源が落ちます。
そもそもC3はPD電源またはPDケーブルを繋いで使う場合、電源を入れるにはマルチキーを左右どちらかにクリックする必要があります。PDケーブルを介して電源と接続している場合は左右どちらか片方でしか立ち上げられないので、いずれかの方向に3秒間長押しして立ち上がらなければ、逆方向に長押しして下さい。
何故、左右どちらかとランダムの様な方向があるのかと言うと、Type Cコネクタには表裏があるので、そのどちらかにどちらかの方向が対応しているのだと思います。
C3の電源が入るとこの様な選択画面になります。
アクティベートのみ。CC線をプルダウンしますがPDネゴシエーションには応答しないので、PDトリガーは使用出来ません。通常の計測、または他のトリガーを使用する事は可能です。
PDトリガーへ。CC線をプルダウンしてPDネゴシエーションに応答します。そしてPDトリガー画面へ飛びます。またこの選択肢を選ぶ場合は、電源を入れてから一定時間内(状況に依り異なりますが結構短いです)に選択しないと通信がタイムアウトする可能性があるので注意して下さい。多分PDの初期ネゴシエーションの対応時間だと思います。
シャットダウン。CC線のプルダウンを停止するので電力供給が止まって結果的にC3はシャットダウンされます。
PDトリガー画面。
充電ポートがサポートしているPDOを列挙します。Fixの項は固定電圧PDOでFix表記のない範囲電圧の項はPPSの可変電圧PDOとなります。左右クリックでトリガーしたいPDOを選んでセンタークリックでトリガーします。
固定電圧PDOの場合は、選択してトリガーが成功すると右側にチェックが入ります。
PPS PDOを選択するとPPSトリガー画面へ移行します。
上段に現在の電圧と電流、中段は現在のネゴシエーションに依って設定されているターゲット電圧と1クリックでの電圧の調整間隔、下段は可変電圧の下限と上限です。要は他のトリガーと同じですね。
所で、次の項で説明をしますが、高出力PDプロトコルのトリガーを利用したい場合はC3を直接充電器等に挿さずにPD5A(以上の)ケーブルを使って繋いで下さい。
・急速充電プロトコル検出。
基本画面で左長押しすると急速充電プロトコルのオートエミュレート(検出)が行えます。因みに緑色の文字が上手く撮れないのでかなりのアップになりました。
そしてまた繰り返しますが。
急速充電規格検出を行う際には検出したい充電器やバッテリー、そしてケーブル以外は何も繋がないで下さい。負荷端末(スマートフォンやタブレット等)が繋がっているならば、確認画面から進む前に絶対に外して下さい。端末を破損したり最悪燃えたり爆発する可能性があります。
そもそもこの機能が何なのか解らない場合や、何をしているのか解らない場合は、確認画面で「いいえ」を選んで検出画面に入らない事をお薦めします。
何か問題が起きたとしても私も販売者もAVHzYもYK-LABも責任は取れません。注意して下さい。
しつこいですが、きっと端末を壊す人がいますからね。実際に壊している人達を製品レビューで時折見掛けますから。
確認画面で「はい」を選ぶと規格の自動検出が開始されます。対応している規格は緑色で、対応していない規格は赤色で表示されます。検出が終了すると右下に完成と表示されます。
完了じゃないのね。日本語って難しいねw
検出可能規格は以下になります。
Apple2.4A、Huawei FCP9V/12V/18V SCP(SSCPも検出可能と思われます)、BBK VOOC/DASH/WARP SuperVOOC、Samsung AFC9V/12V、MediaTek PE+2.0、Qualcom QC2.0/3.0/4+、USB PD3.0/PPS
尚、高出力PDプロトコル(俗に言う5A)を検出する為には、C3のプラグを直接充電器等に接続せずにPD5Aケーブルを介して接続して下さい。何故なら、PD5A規格はケーブルに搭載されているeMarkerの情報を読み込んで認証しない限り出力しない為です。充電器やバッテリーかテスターがおかしいと早とちりしない様にご注意下さいませ。
逆に言えば、eMarker搭載ケーブルを接続していないのに高出力PDプロトコルが検出/出力される場合は、充電器やバッテリーがおかしいか問題を抱えていると言う事になります。
そしてQC5に対応しているかは未確認ですが、どうでしょう?もしかしたらQC4が表示されている上の隙間に4が移動して4の所に5が表示…されないかきっと…
もし現在対応していなくても、もしかしたらファームウェアアップデートで対応するかもしれませんよね。
そもそもQC5やSSCP対応のぢうでんきを持っていなくて確認出来ないのがいけないんですよね…
一応、詳細測定画面ではSCP/SSCPと表示されるのでSSCPは検出可能だと思います。
最後の歯切れが非常に悪かったですが、これでC3の本体機能は粗方見たと思いますので、まとめに入りたいと思います。
尚、PCソフトウェアについてはYK001のレビューを参照して下さい。
・まとめ。
AVHzY C3は今までにない綺麗な画面を持ち、テスターのサンプリング間隔の変更や風袋引き機能、8MHzサンプリングレートのオシロスコープ、更に独自のPDモニタリング表示等を搭載した、執筆時点では最高の製品だと思います。
WITRNのU3を所有していないので断言出来ないのが歯痒いですが、少なくともType Cテスターとしては世界最高の製品であると断言していいでしょう。競合製品の有していないBBK系のトリガーを搭載している時点で既に大きく抜きん出ている可能性がありますからね。
また、自分で用意しなくてもOTGアダプタが付属している事で、パッケージのみで通常のUSB-Aコネクタにも利用する事が可能です。
欠点。兎に角お高い。それだけ。
じゃなくて一般的にUSBマルチテスターに求められる機能はほぼ揃っていると思われますが、強いて欠点だと思われる点を挙げるなら、電圧電流とD±カーブのサンプリングレートが40sps止まりである事や、競合製品であるFNIRSI-C1も搭載していたケーブル抵抗値の測定、CT-3にあった様な各種ダンプ機能がない事、更に言うと競合Type Cテスターには選択肢のあるBluetooth搭載モデルとスマートフォンアプリが無い程度かと思われます。
そもそも機能や性能が良過ぎて、本来競合しないUSB-Aコネクタを備えたフルサイズの製品とも比較してしまって、USB-Aコネクタが無くて4ポートでないのが最大の欠点なんて思ってしまう程ですw
あと、これだけの機能と性能なのもありまして、フルサイズのUSBマルチテスター群と変わらない価格になってしまうので、FNIRSI-C1のBluetooth搭載モデルよりも更にお高いと言う、兎に角高価だと言う事がやはり冗談ではなく一番の欠点でしょう。
しかし、BBK系プロトコルトリガーを求めるならば唯一のType Cテスターですし、いつもなら取り敢えずUSBテスターを買うならCT-3と言っている私でも、CT-3でなくてC3でもいいと言うかC3を買えばいいとなってしまう製品です。
間違いありません。お金があるなら買ってしまいましょう。
CT-3よりはお安いですが、出来る事と出来ない事があるのでしっかりと自分に必要な機能を吟味して選んで下さいね。
また、質問や間違いの訂正等もお気軽によろしくお願いしますね。
はっ!?選ぶべきUSBテスターがC3とCT-3の二択になってるよ!?って所でおしまいっ!
記事がお役に立ちましたら、よろしければリンク先で何かお買い物をしていただいたり、欲しい物リストから何か送って戴けると嬉しいです。
・関連リンク。
・USBマルチテスターのレビュー。
YK-LAB Shizuku-YK001レビューhttps://mebarunrun.blogspot.com/2021/09/yk-labyk001-shizuku-avhzyct-3-power.html
AVHzY CT-3Aレビューhttps://mebarunrun.blogspot.com/2021/09/shizukucnc-avhzyct-3a-ct-3-usb.html
FNIRSI-C1レビュー https://mebarunrun.blogspot.com/2021/10/type-c-fnirsi-c1-usb-type-c.html
・AVHzY C3に関連したリンクを置いておきます。
AVHzYオフィシャルサイトhttps://www.avhzy.com/
ファームウェアやPCソフトウェア等の代替ダウンロードリンクhttps://drive.google.com/drive/u/1/folders/1mMV2qPtrhsiYuaeDA7boKEAcR4J_iGno
C3自体のマニュアルが無い様なので代わりにYK003Cのマニュアルのリンクを https://yk-lab.org:666/YK003C/manual/board/en-us/
・AliExpress内ストアリンク。
AVHzYオフィシャルストア。https://a.aliexpress.com/_mNH092R
FNIRSI-C1やFNB48の購入はFNIRSIオフィシャルストアでどうぞ。https://a.aliexpress.com/_mKlgquB
TC66やHD35の購入はRDオフィシャルストアでどうぞ。https://a.aliexpress.com/_m0zvqH5
記事がお役に立てたならリンクからお買い物や回線契約をして戴けたり、プロフィールの欲しい物リストから何か戴けると幸いです。また戴いた物はレビューさせて戴く予定です。
電子部品の通販ならBispa
|
AliExpressのご登録は是非とも此方から。https://a.aliexpress.com/_mOqG2cI
AliExpress.com Product - FNIRSI-C1 Type-C PD Trigger USB-C Voltmeter Ammeter Fast Charging Protocol Test Type-C Meter Power Bank Tester With PC Software
AliExpress.com Product - RD TC66/TC66C Type-C PD Trigger Fast Charge USB Tester Voltage Current Meter 2 way current meter multimeter PD Charger Battery
AliExpress.com Product - HD25 HD35 USB Electronic Load Resistor Tester Discharge battery 35W for QC2.0/3.0 Trigger Voltage Current Tester AliExpress.com Product - Baseus USB C to Type C Cable PD 100W Fast Charging For MacBook iPad Pro Xiaomi mi Samsung USB 4.0 40Gbps Data Cable Cord 8K@60Hz AliExpress.com Product - Baseus 100W USB C To USB Type C Cable USBC PD Fast Charger Cord USB-C Type-c Cable For Xiaomi mi 10 Pro Samsung S20 Macbook Pro
お初にかかります。
返信削除こちらのブログ記事を参考にさせていただき、CT-3の次作であるC3を発見&Amazon.co.jpで購入することができ、使用しているWindows PCのPDポート不調をハッキリさせることが出来ました。非常に助かりました。
もしかしすると既にご存じかもしれませんが、C3用ファームに関するフォーラムスレッドがありましたのでご共有いたします。
2023年11月時点の最新はV1.00.20(リリース2021.4.19)のようです。
(なお現時点でもPDFマニュアルは無く、YK-003のHTMLマニュアルが正となっているようです)
https://forum.avhzy.com/forum.php?mod=viewthread&tid=268&extra=page%3D1
C3の次作、C4のレビューも密かに楽しみにお待ちしています・・・!
非常に遅くなりましたがコメントありがとうございます!
削除役に立っているのか謎なUSBテスターのレビューがお役に立てて何よりです!
ファームウェアのお話ありがとうございます。実はフォーラムのアカウントも持っていますw
やっぱり2021年以降更新されていないんですねぇ…C4…買うべきなのか…w
完全にWITRNと共通なのでAYHzYオリジナルが出るのを待っていたりしたんですが。現状、高電圧高電流計測が要らなければC3で充分なのですが、どうしようちょっと欲しくなって来ちゃった…w