いやー扇風機と一緒に回るかと思ったら吹っ飛びましたよね。次にやるなら両面テープで固定する事が必要だと学習しましたがめっちょ面白かったですし、首吊りになって画面に残ったのも奇跡的でした。
はい。どうでもいいですね。
今回は珍しく前置きも無しに始めます。本来は此方が表紙グラビアでした。
…めっちょかっちょいいですよね、欲しくなりますよね、頑張ってケース作ってみようカナなんて思っちゃったりしますよねw
あと、やっぱりクーラーはファングリルの類いの着く物に換えたくなります。絶対に触って、いてっ!ってやりますから。
さて、今回は今まで必要なかろうと思ってレビューをしていなかった、エレクトロニックロード(Electronic Load、電子負荷器、私は放電器と呼びます)のレビューをしたいと思います。
私は幾つか放電器を所有していますが、その内の比較的最近買った物です。発売されて暫くは買うまいと思っていたのですが、つい我慢出来なくて買ってしまった、最新鋭の放電器なのです。…が、色々あってレビューしようと思い立ちました。
その今回レビューする放電器。この手の物を手に入れようとすると、USBテスターと同じく大体は中国から仕入れる事になるかと思いますけれど、その中でもシェアがトップクラスなのではと思われる、HIDANCEとATORCHと言うお店が主に販売している炬为电器(JUWEI)と言うメーカーの物です。
余談ですが、私は初めて放電器を買ったのがHIDANCEで、そのままずっとずるずるとHIDANCEで大体買っていたりします。本当にどうでもいい話ですが。
そのJUWEI製品は、放電器に関して言うと、造りやコンセプトはとてもいいのですが、結構数値の振れが大きいと言う印象です。ただ、大型の放電器は選択肢が余りありませんし、それこそJUWEI製品のコピーモデルや同じコンセプトの後追いモデルを選ぶよりは確実なのですが、小型の物でいいのならRD (Hangzhou RuiDeng Technology Co.,Ltd.)のHD35を選ぶのが一番いいです。断言します。
今35W(実際にはもっと負荷をかけられますが)を買うのはどうなのって感じですが、日本だと大半が18Wや20Wでしょうし問題はないかもしれませんね。
で、今回レビューするDL24Mなのですが…
結論から先に言ってしまうと、現状に於いてUSB給電のテストにつかうのであれば避けた方がいいです。
他の物を選んで下さい。
製品自体はとてもいいですし数値の振れ幅も小さくて、これ以上の物を求めるなら巨大で高価なプロ仕様のケースタイプを選ぶしかないと思います。が、現状ではUSB給電のテストには全く向きません。マトモに動きません。バッテリーや単一出力なら特に問題ないのですが、USB給電は話になりません。
何故買ってはいけないと言う結論を先に持って来たかと言うと、単にソレを言いたくて書こうと思ったからです。失敗する人は少ない方がいいでしょ?
さて、それではレビューしていきましょう。ぶっちゃけこの先は見なくてもいいです。大したことも書けませんし。
始めに。DL24Mとは、先代のDL24をディスプレイ/コントローラー部分と基盤/ラジエター部分に分けた形の、スプリットスタイルになります。
※イメージ画像。左が今回レビューするDL24M。右が先代のDL24。 (AliExpress内HIDANCE Official Storeから引用)
また、先代ではDL24の150WとDL24Pの180Wの規定以上の大電力を扱うには、トランジスタ(300WのMOSFET、型番IRFP260N)を増設するか更に容量の大きな物に換えたうえに、冷却効率のいいラジエターを積むと言った作業が必要でしたが、DL24Mは基盤/ラジエター部分を増設していく事で、最大600W@40Aの大電力を扱う事が出来ます。
因みに旧型のDL24Pでも実際には20Aは流せないとか皆さん仰有ってますし、更に旧型のアナログノブの物の話ですが、14Aの165Wくらいでシャットダウンしたとカナダの人が教えてくれたので、数値は少な目に見積もっておくのがいいと思います。そしてDL24Mも500Wってカスタマーレビューで言っている人がいましたし。
兎に角、大電力で扱うには改造が必要だったり、実際には製品の諸元よりも少なかったりすると言った事情があるので、ボードを繋いで増設すればかなり大きな電力迄扱えるDL24Mの登場は画期的だと思っています。何よりサイズも小さいですし。
とは言っても現状USB給電なら150Wあれば問題ないんですけれどね!w
冒頭からオチを作りましたが、私が買ったのは2ピースの300W。300Wなんて使う予定も何もありません。しかし現状最大125WのUSB給電ですが、あれよあれよと言う間に150W、200Wと更に大容量化するのではとも思っていますし、余裕があるのはいい事だと思います。
しかし独自規格で充電速度を競って来た中国メーカーですが、流石に限界を感じて来たらしく、共通の規格を作ろうと言う動きがある様です。有難いですね。300W放電器の出番はなくなりますケドw
ただ、グラフェンバッテリー等の新しく軽くて大容量のバッテリーが採用されたなら、確実に給電量が増えると思うので期待して待ちましょう。
盛大に脱線した。
とりまギャラリーといきましょう。お写真と共に見ていきましょうね。
開封の儀です。
いつもの通り、戦い抜いた後に暫く放置された様なぼろっちい段ボールに入ってやって来ました。
そして開けてびっくり、緩衝材無しかよ!?無事で何よりだよ!?ラジエタ(CPUクーラー、ウチでは扇風機と呼ばれます)の箱ぼこぼこだよ!?箱の中で大暴れしたよねきっと!?無事でホント良かったよ!?
180W2ノブ放電器を買った時には段ボールにブリスターがきっちり詰まってたから気になりませんでしたが、コレは酷いです。一応精密機器でしょうに。カスタマーフィードバックに書けば良かった忘れてた。
とりま取り出してみます。
うーんこのブリスターパッケージ。DL24/Pどころではなく、初代の2ノブのやつ用なんですよね…180Wのスクエアファンにも合っていませんでしたが、DL24Mは更に合っていないと言うか…いっそのことブリスター無しで緩衝材の方がいいのではと思わせる梱包ですw
因みに青い紙には4芯接続の方法が書いてあります。きっとDL24時代にクレームじみた動かないって反応があったのではと推測出来ますね。
ブリスターパッケージの蓋?を外してみた図です。
意外と上手く嵌まっていたので良かったですね…白い箱にはACアダプタ(12V=1A)が入っていて、白い袋にはワニクリップやNTC(温度計)、USBアダプタ、ネジとワッシャにナット、そしてEUプラグ変換アダプタが入っています。旧型180Wもネジ類以外は同じ物が入っていました。
そして右の赤いプチプチにくるまっているのはディスプレイ兼コントローラです。ホントにスプリットモデルなんですねぇ。(?)
付属品の写真は撮り忘れました。申し訳ありません。そもそもレビューとかする予定がなかったので…
お次は段ボール内で盛大に暴れただろうアタッチメントボード(Splicing Accessoriesとありました)の方が入っている箱。
まんまTX-910(写真を見れば解るかと思いますが、DL24の扇風機の名前です)の箱に入っていたので、もしかして自分で組むのかと思って逆に期待しましたが、TX-910の外箱にアタッチメントボードのサイズが一致しているので(多分意図的にこの大きさにしたと想像)、梱包材緩衝材なしに箱に完成品が入っていました。
また緩衝材無しかよ!?箱が緩衝材って感覚の中国人多過ぎませんかね!?日本人が神経質なワケじゃないと思うよ!?
開けた時の写真はありませんでした。
扇風機しか解りませんね。
まぁボードにMOSFETとファンの3ピンの電源回路が走っていて、そのMOSFETの上に扇風機が載っているだけの物ですからねそもそも。
何か生えてる線は扇風機の電源ケーブルです。試しに外してみた時に撮った写真ですね。
メインボードの写真ですが…
何か撮るのがヘタクソな写真なうえに色々ビミョーな写真ですが…あと、2A流れてはいるのですが、ファンが回らなかったんですよね。もしかしたら温度も関係しているかもしれませんが。
5V=2Aで回る充電器と回らない充電器があるのでこの時点でかなり怪しいんですよね…
あ、そうだ。
電流の最低値が1mAと10mAが選べるのですが、1mAにすると最大値が2Aになってしまうので、それ以上流したい場合は10mAを選んで下さい。初期値は10mAなのでそのまま使って下さい。最初仕組みが解っていなくて、そこでも暫く悩んでいました。
ボード裏側です。中心、表側にはMOSFETのある部分です。
何か色々注意書があります。
36V以上には注意を払って下さい!
まぁ要は36V以上は掛けるなって事なんですけれど、200V迄イケるんじゃないのかなぁ…初期型からコレ書いてあるんですけどね。
MOSFETのはんだ付け部分拡大。
うーん、ムラw
真ん中にもうちょっと流し込みたいですねw
まぁこんなもんちゃんとくっついてればいいんですよ!
もうひとつビミョーなやつを。
コレは酷い!!!w
センターズレとか言うチャイナクオリティナットの図です。まぁただ留めるだけなら全く問題ないんですけどね。
さてさてメインボードとアタッチメントボードを並べてみた図です。
ファンのコネクタの位置の関係で、この向きに繋げたかったのですが…ちょっと拡大してみましょう。
ちょっと考えれば解る事ですが、接続するのにちゃんと向きがあるワケです。この方向だと残念ながら逆でした。
ファン電源のプラスとマイナスは何とかならなくもないのですが、MOSFETはDrain, Gate, Sourceの3極ですし、方向を逆にするのは厄介ですからね。大人しく普通に向きを変えて接続しました。
アタッチメントボード接続と言えば…何か無くしそうなちっちゃなブリッヂパーツで接続(入力)の選択をします。
真ん中辺りにあるオレンジ色のやつなのですが…ちっちゃくてワカンネーw
ので拡大してみましょう。
オレンジ色のパーツが解るかと思いますが、うわぁ陰になって見えない!横に手前から300W、450W、600Wって書いてあって、そこの部分にパーツを嵌めて、コントローラのMボタンを押しながら立ち上げると入力選択画面になってそこでシステム上の上限を選べる様になっています。
まぁこの辺なんかは公式が説明だけでなく動画も作っているので商品ページや取説を見て下さい。
続いて繋いでみたの図です。何かテスター繋げていますけれど。
いい感じですね。例のセンターのズレたナットもしっかり使っていますw
そしてコレ、QC3.0の11Vトリガーを使っても動かない!って写真なんですが、この写真は2Aですけれど、3A以外では動かないんですよね…
ディスプレイを見ると電流が全く流れていないのが解るかと思います。言った様に3Aだと動くには動くんですが、完全に不安定で頻繁に再計測をしているのかシャットダウンされているのか、数値が下がって上がってと言うか止まって動いてを繰り返してしまうんですよね。
手持ち全てで確認してはいませんが、殆どの充電器、そしてトリガーでこの症状が出ます。
またPD充電器だと全く動きません。トリガーで昇圧するとQCと同じく辛うじて不安定に動きます。また、SCPも試してみましたが動きませんでした。
更にテスターを挟むと動かなかったりするので本当に大惨事なんですよね…まぁDL24Mにはテスター機能が付いているワケですから、テスターは使わなくてもいいと考える事も出来ますけれど。数値も結構正確そうですし。
この様に、現状ではUSB給電のテストをするには全く使えない状態なので、冒頭で述べた様に買うのはお薦めしないです。
セラー(HIDANCE)曰く、販売しているQCとPDトリガーではちゃんと動くとの事だったので、買ってみようか少々考え中です。もし買って試したら追記したいと思います。
余談ですがトリガーがHIDANCEよりもATORCHの方が安くてどうしたもんかと。
本題を再度述べてしまって記事の終わり感がぱないですが、ギャラリーはまだちょっと続きます。
QC充電器で5V=3Aだと動きますよの図です。気持ち良く動きます。ここだけ見るとすばらです。
が…9V=3Aや11V=3Aを出力する充電器なのですが、コレでしか動かないんですよね。数値を変えると電流が流れないんですよね…1Aや2Aでも動かないんですよね…
めっちょ残念です。
ちょっと赴きを変えてメニュー(設定)画面です。電源ボタン長押しで開きます。
1、表示は中国語と英語。
2、画面輝度は⑨段階。
3、スタンバイ(節電)画面輝度も⑨段階。
4、スタンバイ(節電)モード迄の移行時間。
5、電流基準値。2A以上が必要なら10mAに。
6、外部温度計。
7、動作時間。タイマーですね。
8、電圧最低値。ローボルテージカットです。
⑨、電圧上限値。
10、電流上限値。
11、電力上限値。
12、設定画面から退出する。
13、初期設定。
14、リセット。
尚、⑨~11は前述したアタッチメントボードの接続と回路選択と共に設定した数値が上限値に反映されます。
BRTモードを選択するとこんな画面になります。
なんと抵抗値が見られます!
USBマルチテスターだと、放電器を繋がないと使えない機能ですが、こいつはそもそも放電器なので他に何も必要としないのです!
忘れがちですが、DL24Mをはじめこの手のディスプレイ付きの放電器はテスターを兼ねているワケです。テスター兼放電器だか放電器兼テスターです。テスター、要らないかもしれませんねw
最後に気持ち良く回っている写真を見ながらお別れしたいと思います。
5V=3Aだとしっかりと動作するんですけれどね。その数値でだけ使いたいワケではないので、本当にどうしようもないです。
製品としての造りや精度は現状この上なく良いのですが、動作しない範囲が余りに多過ぎて使い物になりません。巧く使う方法があるなら知りたいですが、試した結果だめなやつなので、現状DL24MをUSB給電の計測、テストに使うのは全くお薦め致しません。
小電力ならRDのHD35をお薦めしますし、大電力なら細かい数値の触れ幅が気にならないのであれば初期型の2ノブの製品をお薦めします。
2ノブの180Wモデルは私も所有していますが、神経質にならなければとても良い製品だと思うので。最初期型は私が思っていた以上に酷いらしいんですけれどねw
扇風機の仲間達。
最後に、重量は部屋に500gスケールしかないので測れませんし、サイズ計測も忘れた事をお詫び致しますと言った所で、おしまいっ。
多分2ピースだと1kg超えているのでは。
電子部品の通販ならBispa